CELINE（セリーヌ）は、1945年にセリーヌ・ヴィピアナによってパリで創業されたフランスのラグジュアリーブランドです。当初は高級子供靴を専門とするブランドとしてスタートしましたが、その品質の高さが評判を呼び、後に婦人向けのレザーグッズやプレタポルテ（高級既製服）へと展開していきました。
1960年代には、ブランドのアイコンとなる「馬車」ロゴが誕生し、CELINEはフレンチエレガンスを体現するブランドとしての地位を確立しました。この時期に発表されたレザー製のハンドバッグやローファーは、現在でも愛され続けています。特に「サルキー」や「トラペーズ」などのバッグは、ブランドのアイデンティティを象徴するアイテムとなりました。
1996年には、世界的なラグジュアリーグループであるLVMH（モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン）がCELINEを買収し、ブランドの国際的な展開が加速しました。LVMH傘下に入ったことで、ブランドの戦略はよりグローバルな視点を持つようになり、欧米だけでなくアジア市場にも進出しました。これにより、CELINEのアイテムは世界中のファッション愛好家に支持されるようになりました。
2000年代にはフィービー・ファイロがクリエイティブディレクターに就任し、ミニマルで洗練されたデザインを打ち出し、CELINEに新たな黄金期をもたらしました。彼女は従来のラグジュアリーの枠を超え、シンプルでありながらエレガントなスタイルを確立しました。特に、彼女が手がけた「ラゲージ」や「トリオ」などのバッグは爆発的な人気を博し、ブランドのアイコンとなりました。また、ファイロのデザインはフェミニンさとモダンなエッセンスを融合させ、多くの女性たちに自信とスタイルを提供しました。
2018年にはエディ・スリマンがクリエイティブディレクターに就任し、ブランドのイメージを一新しました。彼のデザインはよりシャープでロックテイストを取り入れたものであり、従来のCELINEファンから賛否両論を呼びましたが、新たなファン層を獲得することに成功しました。特に、スリマンが手がけた「16バッグ」や「ティーン トリオンフ」などのバッグは、伝統とモダンな感覚を兼ね備えたアイテムとして高い評価を受けています。
さらに、CELINEはサステナビリティにも力を入れ始めています。近年では、環境に配慮した素材を使用し、持続可能なファッションの実現に向けた取り組みを強化しています。エシカルな生産プロセスの採用や、リサイクル素材の活用を積極的に進めることで、次世代のラグジュアリーのあり方を模索しています。
CELINEは長年にわたり、上質な素材と職人技にこだわりながら、時代の変化に合わせて革新を続けてきました。エレガンスとモダンな感覚を融合させるCELINEの姿勢は、これからもフレンチエレガンスの象徴として、世界中のファッション愛好家を魅了し続けることでしょう。
